|  2.1. 許可(主観性-客観的意味)mayの「許可」はcanの許可とは異なり形式的である。そこから特に口語においてはcanのほうが用いられる。また、canが「客観性」を持つのに対してmayは主観性を持っている。そこから、話し手が与える許可にはmayを用いることになるが、canの許可は一般的観点からの許可である。
 そして、話し手が許可を与えるということは、その意味から目上の者が目下の者に許可を与える形になる。
 
 (2)
 a. You may go now.
 (もう帰ってもよろしい。)
 b. You may take out three books from the library.
 (図書館からは3冊の本を借りることができます。)
 
 (2a)では、話し手が相手よりも権限を持っていなければ言うことができない。
 またmayを疑問文で用いて許可を求める場合は、相手がそれだけの権限を持っていることを表すことになる。これは、相手を尊重する言い方になる。
 
 (3)
 a. May I come in?
 (入ってもいいですか。)
 b. May I open the window? Yes, you may.
 (窓を開けてもいいですか。ええ、いいですよ。)
 
 答えとして、許可を与える場合はmay(Yes, you may.)、与えない場合はmay not (No, you may not.) を用いるが、canを代わりに用いることもある。これは傲慢な感じを与えないようにするためである。
 
 (4)
 May I smoke?  Yes, you can.
 (タバコを吸ってもいいですか。ええ、いいですよ。)
 
 
 次はこの許可の意味で、過去時制のmightを用いた例である。
 
 (5)
 a.* You might go.
 b. You were allowed to go.
 
 上は許可の意味で用いているが、時制の一致で用いているわけではないので、(5a)は不自然となる。この場合(5b)のようにwas allowed toまたはcouldを代わりに用いることになる。
 
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