自然探訪と野鳥(英語喫茶写真店)

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 自然探訪と野鳥(英語喫茶写真店)

 自然探訪と野鳥は、英語喫茶別館です。
 掲載している写真は、観光地に限っておりません。
 景勝ポイント等、北海道の興味深い個所を多数掲載しています。
 掲載個所の中には、簡単には行けないところも含まれていますので、写真だけを見て楽しんでください。

旧士幌線

北海道帯広市~河東郡上士幌町~多数のアーチ橋が残る廃線跡、旧士幌線
旧士幌線、士幌線広域図(北海道)
撮影取材日 2016年7月

北海道帯広市から河東郡上士幌町にかけての、旧士幌線です。
士幌線は帯広市の帯広駅から上士幌町の十勝三股駅までの78.3kmを結んでいました。

士幌線の最初の開通は1925年で、帯広駅から士幌駅までを結びました。
その後1939年に十勝三股駅まで延長され、全線開通となりました。

しかしながら利用客減少のため、1987年に廃止となりました。
最初の開通から62年間、全線開通から48年間の歴史でした。

今回は廃止となった士幌線の跡をたどります。
旧士幌線、士幌線の駅詳細図(北海道)
帯広駅から十勝三股駅までには17の駅がありました。
帯広駅は現在でも営業していますが、他の16駅は廃止となりました。
旧士幌線、音更駅跡の案内板
現在営業中の帯広市の帯広駅を出て、士幌線の最初の駅は木野駅でした。
木野駅の次は、音更駅になります。

上の写真は、かつて音更駅があった場所からです。
音更駅跡は、交通公園になっています。
ここでは、除雪車や蒸気機関車も保存展示されています。
旧士幌線、音更駅跡の蒸気機関車
上の写真は保存展示されている蒸気機関車です。
蒸気機関車の断面が見えるようになっています。
旧士幌線、音更駅跡の蒸気機関車を前側から
こちらは同じ蒸気機関車を、前の方から見たところです。

音更駅を過ぎると、次の駅は駒場駅でした。
それから武儀駅、中士幌駅、新士幌駅(仮)と続きます。
そして新士幌駅(仮)の次は、士幌駅になります。
旧士幌線、旧士幌駅の駅舎
上の写真は、士幌駅の駅舎です。
士幌駅は保存展示されています。


この士幌駅については、次に掲載しています。
旧士幌駅(旧士幌線)

士幌駅を過ぎると、北平和駅、上士幌駅、萩ヶ岡駅、清水谷駅、黒石平駅と続きます。

ここには堤高76メートル、堤頂長293メートルの糠平ダムがあります。
糠平ダムは1953年に着手されましたが、それにともない、黒石平駅からはダム湖に沈むことになりました。
そのため黒石平駅からはダム湖対岸に移設されています。
それまでのルートはダム湖に沈みますが、このページの画像2枚目にある詳細図で、白線で示しています。
旧士幌線、第三音更川橋梁
黒石平駅を過ぎると、このあたりからはいくつものコンクリートアーチ橋を見ることができます。

上の写真は、第三音更川橋梁です。
第三音更川橋梁の長さは71メートルで、竣工は1936年です。
現存する北海道内の鉄道用コンクリートアーチ橋としては、最も古いものです。
また32メートルのアーチスパンは、最も大きいものです。

大きなコンクリートアーチ橋は、この第三音更川橋梁の成功により、各地でつくられるようになりました。


この第三音更川橋梁については、次に掲載しています。
第三音更川橋梁(北海道河東郡上士幌町)

士幌線においてコンクリートアーチ橋が多く採用された理由は、このあたりが大雪山国立公園内であることから、周囲の自然との調和を図るためです。
またコンクリートアーチ橋の材料となる砂利などが、現地で調達できるためでした。
旧士幌線、糠平駅跡
黒石平駅を過ぎると、すぐに電力所前駅(仮)がありました。
黒石平駅は勾配のあるところにあったため、それを上る列車は黒石平駅で停車することができませんでした。
そのため黒石平駅を過ぎたところにある電力所前駅に停車していました。
代わりに勾配を下る列車は、電力所前駅では停車せずに、黒石平駅に停車していました。

この電力所前駅(仮)を過ぎると、次に糠平駅に到着します。
上の写真は、糠平駅の跡地に展示されている車両です。
駅舎は残されていませんが、代わりに鉄道資料館が建てられています。
旧士幌線、糠平川橋梁
糠平駅を過ぎると、コンクリートアーチ橋の1つである、糠平川橋梁を見ることができます。
上の写真は、その糠平川橋梁です。
長さは63メートルあります。


この糠平川橋梁については、次に掲載しています。
糠平川橋梁(旧士幌線)
旧士幌線、三の沢橋梁
糠平川橋梁を過ぎると、次に現れる橋梁は、三の沢橋梁です。
三の沢橋梁の長さは40.4メートルで、1955年に造られています。


この三の沢橋梁については、次に掲載しています。
三の沢橋梁(北海道河東郡上士幌町)
旧士幌線、幌加駅
三の沢橋梁を過ぎると、幌加駅が現れます。
幌加駅跡には、ホームやレールが残されています。


この幌加駅については、次に掲載しています。
幌加駅跡(北海道河東郡上士幌町)

幌加駅を過ぎると、次の駅は終着駅となる、十勝三股駅になります。
旧士幌線、第五音更川橋梁
幌加駅を過ぎると、再びコンクリートアーチ橋を見ることができます。
上の写真は、第五音更川橋梁です。
長さは109メートルもあり、タウシュベツ川橋梁の130メートルに次ぐ規模です。


この第五音更川橋梁については、次に掲載しています。
第5音更川橋梁(北海道河東郡上士幌町)
旧士幌線、十勝三股駅
幌加駅を過ぎ、第5音更川橋梁も過ぎると、終着駅の十勝三股駅に到着します。
士幌線の廃止は1987年ですが、糠平駅と十勝三股駅間は人口減少により、1978年にバス転換されています。
1978年から1987年の間は、糠平駅と十勝三股駅間については、駅などは残されながらも列車が走ることなく廃止となりました。

上の写真は、かつてあった終着駅、十勝三股駅周辺の風景です。


旧士幌線、タウシュベツ川橋梁
旧線の遺構・遺産の紹介。

士幌線は糠平ダムの建設のため、黒石平駅からはダム湖に沈むことになりました。
湖に沈む旧線には、タウシュベツ川にかかっていた、タウシュベツ川橋梁もその1つとしてあります。

上の写真は、ダム湖に取り残されることになった、タウシュベツ川橋梁です。
タウシュベツ川橋梁は1937年に建設され、長さは130メートルもあります。
11連のアーチ橋は、自然の作用による造形美を作り出し、「幻の橋」と呼ばれています。

タウシュベツ川橋梁は、ダムの水位が上がる6月頃から湖に沈み始め、10月頃に水没します。
そしてダム湖結氷後の1月頃、再び姿を見せ始めることから、「幻の橋」と呼ばれているゆえんになっています。

しかしながら、建設から80年も経過し、夏の水流と冬の氷によって表面が削られるだけではなく、内部にしみ込んだ水が凍ったり溶けたりすることによる、「凍結融解作用」により著しい損傷が生じ、その崩壊が危ぶまれています。

このタウシュベツ川橋梁については、次に掲載しています。
タウシュベツ橋梁(春の間近編)(北海道河東郡上士幌町)

タウシュベツ川橋梁を含む、旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群は、2001年第1回選定の北海道遺産に指定されています。



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