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 enoughと数量をあらわす主格、否定文について

 enoughは「十分な」という意味で形容詞として用いることができます。そしてenoughは形容詞のほかに副詞と代名詞としても用いられますが、ここではenoughの形容詞として用法について解説をしています。
 特にenoughによる否定文の用法についてと、文の中で主格とenoughの意味上の対応関係について解説をしています。
 enoughの基本的な形容詞としての用法については、enough(形容詞)についての中で解説をしています。

1.enoughによる否定文について
 enoughによる否定文は、not…enoughの形になります。

 a. She has enough money.
  (彼女は十分なお金を持っています。)
 b. I have enough eggs.
  (私は十分な卵を持っています。)

 上のaとbの例はenough(形容詞)についての中でも例として掲載していますが、それぞれは、enough moneyで「十分なお金」、enough eggsで「十分な卵」を意味する、肯定文です。これをnot…enoughの形による否定文にすると次のようになります。

 c. She doesn't have enough money.
  (彼女は十分なお金を持っていなかった。)
 d. I don't have enough eggs.
  (私は十分な卵がありません。)

 上のcとdは、aとbをそれぞれ否定文にした例です。
 次もenoughによる否定文の例です。

 e. We don't have enough copies of the document.
  (その資料のコピーが足りていません。)
 f. We don't have enough tablets for the class.
  (そのクラスのためのタブレットが不足しています。)

 eのenough copiesは「十分なコピー」という意味です。それを否定する形にして「コピーが足りていない」という意味になっています。
 fのenough tabletsは「十分なタブレット」という意味ですが、これも否定文の中で「タブレットが不足している」という意味になります。
 次も否定分の例ですが、enoughが主格に置かれた否定文になります。

 g. Not enough people were present to form a quorum.
  (定数を満たすための十分な人たちが出席しませんでした。)

2.enoughと数量をあらわす主格について
 enoughが意味として対応する数量について、その数量が主格に置かれる場合には注意が必要です。次はその例ですが、不自然な文になります。

 h. (?)The chairs are enough.
 i. (?)The water is enough.

 hではthe chairsが主格に置かれています。そしてenoughはそれに対応する形です。
 この場合は文として不自然です。意味的に解説をすると、enoughは「程度」をあらわす形容詞ですが、これに対応するthe chairsは椅子という意味の複数名詞です。つまりthe chairsについて何が十分なのかが不明です。椅子の数なのか質なのか、それとも大きさなのかが不明となります。
 iではthe waterが主格の位置に置かれています。そしてenoughはそれに対応する形で置かれています。この場合も文としては不自然です。意味的に説明するとthe waterの何がenough「十分」なのかが不明となります。
 しかしながらhについては次のようにすると、文として自然になります。

 k. Ten chairs are enough.
  (10個の椅子で十分です。)

 kはchairsにtenを加えて主格の位置においた例です。
 こうすると、これに対応するenoughはten chairsという椅子の数量に対応することになります。つまり椅子が10個あるという数量にたいして、enoughが「十分である」という程度を意味することになります。
 このように文として不自然なhについては、主格に数量を加えることで文として自然にさせることができます。けれどもiについては、the waterは不可算名詞のため数量をあらわさないことから、主格に置くことが限られてきます。
 ただこれを主格に置かずに、次のようにthere構文にすると自然になります。

 j. There is enough water.
  (水が十分にあります。)

 jはthere構文によって、水の存在が十分にあることをあらわしています。
 当然ながらiのThe water is enough.も前後の文脈によっては、自然な文になる場合もありますが限定的といえます。またそのiに説明を追加する語句を加えることでも、自然な文にすることはできます。
 次も主格の名詞に数量の語句を加えたenoughの例です。

 k. Five people are enough to do the moving.
  (引っ越しをするのに5人で十分です。)

 kではfive people「5人で」を主格に置いています。to do the movingは「引っ越しをするのに」という意味です。
 peopleだけでは意味があいまいですが、five peopleという主格の数量を表している名詞に対応して、enoughが自然な文として用いられています。










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