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1.1.3. 現在時制の本質的な意味

 主な用法が4つであっても、現在時制の持つ意味とは本質的に1つだけである。そこから話し手の捉え方によって、派生的に意味が生じている。ここでは、その1つだけである現在時制の本質的な意味を突き詰めることにする。

(12)


 上は現在時制の時間表示であるが、3点はいずれも現在時にある。
 発話時(S)に、話し手が表そうとする出来事は同時に存在しているが、その出来事の時点は出来事時(E)で示されている。その2点に重なる形で心の位置(M)も同時にあるが、これは話し手の焦点が現在時に置かれ、心境が現在から離れていないことを表している。
 
 心の位置(M)とは通常、時を表す副詞に応じて移動する。それは時を表す副詞とは、話し手が発話の際に念頭に置く時点であり、焦点及び心境の位置を表すことになる。(発話の際に念頭に時点を置くことについては、次章から詳しく述べる。)
 これまでの現在時制の例では、時を表す副詞がほとんど続いていないが、現在を含んだ「時」が言外に含まれている。
 したがって、心の位置(M)が現在時にあるということは、話し手が同時に存在する出来事を、現在にある心境から「現在の事実」として捉えていることを表すことになる。この「現在の事実として出来事を捉える」ことが、現在時制の本質的意味である。4つの用法は、全てこの意味に結びつくのである。


 ところで、出来事時(E)が表す出来事とは、話し手が発話する際に、必ずしも目に入ることだけではない。
 たとえば(10)の3例は現在においての習慣の例であった。次にもう一度示す。

(13)
a. Mary walks to school every day.
(メアリーは毎日学校へ歩いて行きます)
b. He usually gets up early in the morning.
(彼はいつも朝早く起きます。)
c. She teaches piano at a junior high school.
(彼女は中学校でピアノを教えています。)

 (13a)はメアリーが毎日歩いて学校へ行くという習慣であり、話し手が発話した時点において、実際にメアリーを見ているわけではない。また(13b)も同様に、彼が朝早く起きているところを見ているわけではない。これらは実際に見ることがなくても、現在においての事実として捉えていることなのである。出来事時(E)は、当然この習慣的事実も表すことになる。



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