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3.1.1. 完了・結果
 これはある出来事が現在よりもそれほど離れていない過去において生じたことを表す用法だが、このとき話し手はその出来事を現在と関係づけている。

(5)
a. The clock has just struck ten.
(時計がちょうど10時を打った。)
b. The river has frozen.
(川が凍った。)

 上の2例で、完了と結果に分類するならば(5a)は完了、(5b)は結果の用法に区別される。このとき完了と結果の違いは、結果の用法が出来事の完結した後に何らかの確認できる結果が残ることを言い、完了がそのような結果が残らないのを言う。
 しかし、どちらも現在とはさほど離れていない過去に生じた出来事を表していることには変わりがない。


 だが、過去に生じた出来事を現在完了形で表すのはなぜだろう。
 上の2例では、生じた出来事は明らかに過去であることを意味しているが、それならば過去形でその出来事を表しても良いはずである。

(6)
a. The clock struck ten.
(時計が10時を打った。)
b. The river froze.
(川が凍った。)

 上は過去形で書き換えた例だが、文法上問題があるわけではない。しかし、このとき話し手はこの出来事を過去のこととして捉えるために現在とは関係していない心境を持つことになる。これを図にすると次のようであった。

(7)



 だが、話し手の心境が現在にあり、そこから出来事を捉えるような心境の場合は過去形ではなく現在完了形が用いられる。この現在完了形を図にすると次のようであった。

(8)






 このことを日本語の観点からも考えてみる。

(9)
a. 時計が10時を打った。
b. 時計がちょうど10時を打った。
c. 時計が今10時を打った。

 (9a)は、(6a)のThe clock struck ten. の日本語訳だが、この例はタ形を用いている。しかし、このタ形とは現在完了形だけではなく過去形の意味も表す。したがって、(9a)の例だけではこれが現在完了形なのかそれとも過去形なのかは判断がつかない。そこでどちらに相当するのかを判断するためには前後の文脈が必要であり、それがなければ話し手の心境を考えるしかないことになる。
 
 このように日本語には英語の現在完了形のhave+過去分詞というような明確な形式が存在していないのだが、それでも「ちょうど」や「今」を文脈に加えることでそれが現在完了形に相当すると判断することが可能になる。
 
 (9b)は「ちょうど」を加えているが、これは(5a)のThe clock has just struck ten. の日本語訳である。
 ここで、(9a)と(9b)を比較すると、(9b)のほうが現在から捉えている心境をよく感じることができるだろう。(9c)では「今」を加えているが、これも(9b)と同様に現在にある話し手の心境を感じることができる。


 日本語において、文脈上に「ちょうど」や「今」を用いるか用いないかは、英語において現在完了形を用いるか用いないかの選択と類似している。つまり、日本語話者が「今」を加えたいという心境を感じるとき、英語では現在完了形を用いることになる。










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