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H-6. 不定詞について
a. 不定詞と完了形(時間関係)
 

 不定詞にはtoのつくto不定詞と、toがつかない原形不定詞がある。to不定詞は動詞的意味を持つが、文の中では名詞や形容詞、副詞などとして用いられる。ここでは、このto不定詞の表す「時」について、完了不定詞と比較していく。

(1)
a. She seems to be very happy.
(彼女はとても幸せのようだ。)

b. I happened to be there.
(私はたまたまそこにいた。)

 上のto不定詞について、時間関係は述語動詞と同じである。上の例を書き換えると次のようにすることができる。

(2)
a. It seems that she is very happy.
b. It happened that I was there.

 またto不定詞には、to have done、to have been done、to have been doingのように完了形を用いる場合もある。このときの時間関係は、述語動詞の時よりも、以前の時を表している。

(3)
a. She seems to have been very happy.
(彼女はとても幸せだったようだ。)

b. He seems to have seen her yesterday.
(彼は昨日彼女に会ったようだ。)

 上の例は、次のように書き換えることができる。

(4)
a. It seems that she was very happy.
b. It seems that he saw her yesterday.

 また、述語動詞が過去時制の場合は、次のようになる。

(5)
a. She seemed to have been very happy.
(彼女はとても幸せのようでした。)

b. He seemed to have seen her yesterday.
(彼は昨日彼女に会ったようでした。)

 上の完了不定詞も同様に、述語動詞よりも以前の時を表している。つまり過去よりもさらに過去ということになる。上の例は次のように書き換えることができる。

(6)
a. It seemed that she had been very happy.
b. It seemed that he had seen her yesterday.

 完了不定詞のところは、述語動詞よりも以前の時を表すために、過去完了形が用いられる。

 ただ、必ず完了不定詞が以前の時を表しているとも限らない。

(7)
He seems to have seen her before.
(彼は以前彼女に会ったことがあるようだ。)

 上の例の完了不定詞は、現在完了形の用法に相当する。したがって、これを書き換えると次のようになる。

(8)
It seems that he has seen her before.

 この他にも過去完了形に相当する場合もあるのだが、いずれにしてもそのときの文脈によって判断されることである。




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