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2.3.2. couldとbe able to

 法助動詞であるcanには能力の他に、可能性や許可の用法がある。
 能力の用法ではbe able toとよく比較されることが多い。これはbe able toにもcanと同じ能力の意味があるためなのだが、違いはbe able toには、実際の動作を表す意味があることである。双方の違いは過去時制においてのみ生じる。

(25)
a. I can swim.
(私は泳ぐことができます。)
b. I can speak English.
(私は英語を話すことができます。)
c. I'm able to swim.
d. I'm able to speak English.

 上の4例は全て現在時制を用いている例である。
 (25a)と(25b)はcanを用いた例であるが、それぞれをbe able toを用いて書き換えた例が(25c)と(25d)である。
 現在時制ではcanを用いた場合とbe able toを用いた場合とでは、その意味に差がほとんどみられない。なぜなら、どちらも能力の意味しか生じさせていないからである。それは現在時制とは、過去時制のようにその出来事の完結を表さないからである。そこで、一般的に現在のことを表す場合はbe able toではなくcanのほうを用いる傾向にある。


 しかし、過去時制においては双方に意味の差が生じることになる。これは過去時制が出来事を過去のこととして捉えるということから、その出来事の完結を表すことになるからである。次は前の4例を過去時制で書き換えた例である。

(26)
a. I could swim.
(私は泳ぐことができた。)
b. I could speak English.
(私は英語を話すことができた。)
c. I was able to swim.
d. I was able to speak English.

 過去の「能力」の意味として用いた場合は、4例とも意味においてほぼ同じである。これはcanとbe able toにある能力の意味が、単に過去に存在していた能力として表されているにすぎないからである。しかし、過去時制の場合は動作の完結を表すことができるため、be able toにおいてはもう1つの意味である、実際の動作を表すことが可能になる。そこで、話し手が実際に生じさせた動作について発話する場合は、(26a)と(26b)は用いることができないことになる。couldは実際の行為を表すことができない。


 以上のようにcanとbe able toについては、現在時制と過去時制で相違が生じる。次にもう1つ例をあげてみる。

(27)
After she studied hard, she was finally able to pass the entrance exam.
(彼女は一生懸命勉強して、ついに入学試験に合格することができました。)

 上はbe able toを過去時制として用いた例である。意味は彼女が入学試験に合格したという実際の出来事を表している。この意味においてはcouldを用いることができない。もしもこの例をcouldで書き換えたとするなら、それは過去において入学試験に合格をする能力があったという意味だけが生じ、実際に合格したかどうかは不明のままになるからである。


 ところで、否定文の場合はcouldでも実際の行動を表すために用いることができる。結局は、ある動作を生じさせていないことになるからである。そこでI couldn’t swim.は「泳ぐことができなかった。」という意味で、過去において不可能だった能力の意味にも、または実行することができなかった動作の意味にも捉えることが可能になる。
 (couldを用いた場合は仮定法の意味として捉えられてしまう場合もあるが、仮定法については第8章 で述べる。)



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