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6.3.3. 過去完了進行形
 過去完了進行形とは、過去完了形に進行形を用いた文法形式である。したがって、現在完了進行形をそのまま過去のこととして捉える用法と考えることができるが、過去の過去を表す用法もある。そこで、過去完了進行形には過去完了形と同様に2つの用法があるのだが、いずれにしてもある過去から基準とする過去までの継続を表すことには変わりはない。

 (33)
  a. Mary had been looking for this book before I arrived.
   (メアリーは私が来る前にこの本を探していました。)
  b. John had been watching TV when I came home.
   (ジョンは私が帰ってきたとき、ずっとテレビを見ていました。)

 上の2例について、(33a)のbefore節と、(33b)のwhen節は過去を示しているが、その過去まで主節の動作が継続していたことを表している。
 このような過去完了進行形について時間表示に示すと、次のようになる。

(34)


 発話時(S)、心の位置(M)、出来事時(E)の3点の意味と位置については、過去完了形の時間表示と同じである。したがって、異なるのは、出来事時(E)を起点として生じている矢印が、心の位置(M)まで伸びていることである。この伸びた矢印は、進行形が表す継続時間を示した時間軸である。

 (33b)の例をこの時間表示にあてはめてみると、before I arrivedが心の位置(M)に相当する。(*33) そしてさらに以前の出来事時(E)から、この心の位置(M)までの間に「本を探していた」ことが生じていたことになる。次に、もう一度現在完了進行形の時間表示を示す。

*33  before以下は「節」であるが、主節に従う時間を表しているため、心の位置(M)に相当する。主節からみると、言外に含まれる時点となる。

(35)


 上の時間表示ではE→M(矢印は継続を表す時間軸を意味し、また時間的に双方の時点が離れていることも意味している。)の関係にあるが、これが過去のこととして捉えられた場合でも、この関係が変わることなく過去の時間帯に移動することになる。そして示される時間表示が、過去完了進行形の時間表示なのである。


時間的感覚


 ところで、過去の過去を表す用法の場合は、時間表示上において過去進行形の時間表示から過去完了進行形の時間表示への流れとなる。(現在完了進行形を過去のこととして捉える用法と、過去進行形を過去の過去として捉える用法とで、その時間表示が示されるまでの流れが異なっていても、過去完了進行形においての意味の違いは区別が難しい。したがって、ここで時間表示の流れを示すことについては、頭の片隅に置いておくだけで十分である。)

(36)
a. 過去進行形


b. 過去完了進行形


 (36a)は過去進行形、(36b)は過去完了進行形の時間表示である。
 過去進行形の時間表示では、漠然とした動作の進行時間を表している。この場合、出来事時(E)が心の位置(M)よりも、以前の過去時へ移動することになる。すると、心の位置(M)の時点が時間表示上では出来事時(E)の基準を示す時点となるので、漠然としていた進行時間もその基準となる心の位置(M)までの継続として示されることになる。こうして過去完了進行形と同じ時間表示になる。


時間的感覚






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