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幼稚園児は様々な反応があるので実習中はおもしろいと思ったり驚かされたりすることがあります。
そこで実習は小学校でもやっていますが、特に幼稚園で実習をしているときに、自分が担当した実習の時間の出来事をここでふれていきます。
「番外編」だけに、本当に時間に余裕があるときだけご覧ください。

「幼稚園編」でもふれましたが、幼稚園での実習時間は40分です。
また実習日程は次のように全部で4回です。


・8月23日
・8月30日
・9月 6日
・9月13日






実習時間の40分は3つのパートにわかれています。
これも「幼稚園編」でふれていますが、その3つは「導入」、「メイン」、「応用」です。
導入は前回の復習などで、メインはその日のテーマを詳しく指導します。
そして応用ではメインの内容をさらにひろげて指導します。

4回の実習のうち、自分が実際に実習をしたのは1回目と3回目です。
2回目と4回目については他の実習生の手伝いや実習の見学をしていました。

担当は、1回目では「メイン」で、3回目では「導入」をやりました。

・第1日目 テーマ:数の数え方について
・第3日目 テーマ:フルーツの名前について




第1日目 8月23日
テーマ:数の数え方について
担当:メイン




最初の実習日なのでまずは実習生みんなで自己紹介から始めました。
「Hello.」と言ってから自分の名前を「My name is …」と言います。
そして「Nice to meet you.」で締めます。

自分の番になって、
「Hello!」と一声

「Hello.」
まばらな園児のこたえ
初実習だけに園児も少々緊張ぎみなのか「Hello.」とあいさつしても反応がすくない

そこでもう一度
「Hello!」と一声

「Hello!」
そうしたら今度は園児も一斉についてきた

名前も園児におぼえさせるくらいに2回言いました。
自己紹介の後は「導入」からスタートです。
実習は「メイン」が担当ですが、「導入」のあとなので少し間があります。
そして10分から15分後に自分の担当する「メイン」の時間がきました。



前に出て行ってから、
「英語でワンからテンまで言える?」

「言えるよー」とみんな一斉
結構言えそうな子がいる


そこで最初から丁寧に指などを使いながら「ワン」とか「トゥー」とか言って教えることは飛ばしました。
ここで数字のカードを使います。



1枚ずつ出しながら数を言って教えていきます。
「1」をだして、
「これは?」

「いち」
「ワン」

「いち」と「ワン」が園児の中で混じっている

「いち?」
「英語で言うと?」

「ワン」とみんな一斉
こんどはそろった
「そう、ワン」

次に「2」をだして、
「これは?」

「トゥー」
「にぃ」

また?
「英語で言うと?」

「トゥー」とそろった
「そう、トゥー」




一通り教えてから今度は1枚ずつ数字を発音しながら、黒板に貼っていきます。
数字のカードは裏に磁石がついていて黒板に貼れるようになっていました。

けれども、貼ったとたん「ストン」
カードはチョーク受けに
なんと幼稚園の黒板は磁石のきかないものだった


ここはすぐに気がついた幼稚園の担任の先生がセロテープを持ってきてくれました。
結局は1枚ずつ横一列に黒板に数字のカードが貼れました、セロテープで。

「1」のカードに指をさして、
「それじゃ、1から10まで順番に言ってみよう」
「ワン」

「ワン」
「トゥー」
「トゥー」
「スリー、...」
「スリー、...」
1枚ずつ発音していく
園児はしっかりついてきてくれた


全部言い終えたら拍手をしてあげました。



次はリンゴのカードを使いました。



カードを手に持って、
「これ何?」

「リンゴー」
「アップル」


そらきた
「リンゴ?英語で言うと?」

「アップル」
今度はそろった
「そう、アッポ」

「アッポ」



リンゴのカードを1枚黒板に貼りました。
そして、
「リンゴはいくつある?」

「いちー」
このパターンには慣れた
「だから、ワン」と教える

リンゴのカードをもう一枚増やして
「これはいくつある?」

「にぃー」「ツー」
「じゃあ、数えてみよう」
1枚ずつ指でさしながら、
「ワン」

「ワン」
「ツー」
「ツー」



それからもう一枚増やした後で、今度はいっきに3枚増やしました。
黒板にはこれで6枚のリンゴのカードがあります。
「これはいくつかな?」
「ろく」「シックス」
「なな」

「なな?」
「シックス」
「なな」

ななは意外だった

「じゃあ、数えてみるよ」
1枚ずつ指でさして、
「ワン」

「ワン」
「ツー」
「ツー」


「ファイブ」
「ファイブ」
「シックス」
「シックス」
「シックスだね」
「ななー」とそれでもいいはる子
「なな?、なななーい!」




「じゃあ、最後にもっと増やしてみるよ」
「もういいよ」と男の子
聞こえているけれどそこはかまわずに貼る
これで10枚になった

「もう増やさなくてもいいよ」ともう1人の子
「増やさなくてもいいって言ったのにぃ」とさっきの子
それでも構わずに「ワン」から「テン」まで順番に数えた
聞いていないふりをして




ここで時間にまだ余裕もあったので、あたらしい教材を出すことにしました。
それは画用紙に動物が何匹か描かれているもので、今度はその動物の数を数えてもらおうというのがねらいです。

まず1枚を貼りました(セロテープで)



きつねを指さして、
「これは何かわかる?」

「きつねぇ」「きつねぇ」
「きつね、ん、きつね、じゃあ、これは?」
「うさぎぃ」「うさぎぃ」

「じゃあ、これは?」
「ねずみー」
「ねずみへん」とどっと笑い
ねずみのイラストがちょっと変らしい

「ねずみじゃないよ」「ねずみへん」と笑い
「ねずみ立ってるよ」という子も

ちょっと間をおいてから、
「それじゃ、きつねは何匹いる?」

「いち」「いっぴき」
「つまり、英語でいうと?」
「ワン」ここはきれいにそろった
「ん、ワン」

「じゃあ、うさぎは何匹いる?」

「にぃ」「ツゥー」
「ツゥー」がでてきたけれど、まだ元気に「にぃ」という子がいる
「じゃあ数えてみるよ、ワン、トゥー」と指でさしながら
「おー、そう、2匹いるね」

「じゃあ、ねずみは何匹いる?」

「ねずみじゃないよ」という声
まただ
「ねずみじゃない? でもおもしろいでしょう?」

「ねずみへん」と笑い
しょうがないのでそのまま、
「じゃあ、何匹いるか数えてみるよ、ワン、トゥー、スリー!」




「それじゃー」と次の画用紙を貼る
今度はくまとねこ




上のくまを指でさして、
「これは何?」

「くまー」
「じゃあ、くまは何匹いる?」
「よん」「フォー」
「じゃあ数えてみるよ、ワン、トゥー、スリー、フォー、フォーだね」

「じゃあ、これは何?」

「ねこ」
ここでどっと笑い
みんなが、

「ねこ、へん」「ねここわーい」
「おおかみみたい」「おおかみー」

意外な反応、それも大きい反応
「え? おおかみ? ねこのつもりなんだけど」

「おおかみー」「おおかみー」
みんな声がそろっている
「おおかみ? 猫にしない?」と言ってみる

「おおかみー」
無理だった

そして、ついに

「ねこおおかみー」「ねこおおかみだー」
まいった
ねこおおかみって何だ
「ねこおおかみ?」

それじゃあっと思って
「ねこみたいなおおかみ」と画用紙に指を指す
ちょっと笑い
けれどもねこおおかみは強かった


「ねこおおかみいる?」
「いる、いるよっ」っと
「ねこおおかみ見たことある人?」と自分の手をあげて聞いてみた
元気に手をあげる子が数人

これはすごいと思った

「ねこおおかみ、飼っている人?」
「はーいっ」
やっぱり数人手があがった
すごい
「ほんと?」と聞いてみる
とにかく反応がすごかった




次の画用紙、犬



犬のうけはよかった
「犬だ」「犬」

「フランダースの犬がいるっ」
でた、予想外の反応
「え?どれ?」

「ひだりー」
右を指してみた
「ひだりだってば、ふとってるやつ」
「あ、これ」と指してみる
すると

「ちがうよ、真ん中のやつが似ているよー」と他の子



「あの犬もおかしいよ」
「え? どれ?」
「うえの」
「上?」
言いたいことはだいたいわかった
「なんで?」

「だって、花を持っているから」
やっぱりそうきたか
反応もたまに予測がついてきた


「結婚しているよー」
えっ?
ここでけっこうな笑い
花を持っていると結婚しているのか
これは予測不能だった

ちょっと流れがはずれすぎたので、
「じゃあ、花は英語でなんていうかわかる?」と聞いてみる

「・・・」
ちょっとシーン

「フラワー」とそこでさけぶ

「・・・」

「フラワー」ともう一度言ってみた
半分ほどかえってきた


それから犬を一匹ずつ指しながら順番に数を数えていきました。



次は、猫



このへんで園児にだんだんと飽きがきているのを感じた
そろそろ限界かな

「まだやるの」という声も
園児の興味を引きつけておくのはたいへんだ

そこで、
「つぎはどんなのがでてくるかわかる?」と言いながらちょっとじらしてみる
そして、さっと画用紙を出して貼った

「ねこだっ」
「またいるーっ」と笑い
またあのねこおおかみが登場だ
しばらく笑い
しかたなく、しばらくねこおおかみを指さしてみた

「ねこ飼っている人?」と聞いてみる

「はーいっ」
結構いた



「ワン」から「セブン」まで数えて、これを最後にする
次の実習生(女性)と交替だ
「じゃあ、次はおねえさんにかわるからね」

「えーっ、なんでおねえさんなの?」と男の子
きた、まただ
今度は何だ?

「え?」

「おねえちゃんでいいじゃない」
え?
そういうことか
コメントは頭に浮かばなかった

「じゃあ、おねえちゃんにかわるね」









第3日目 9月 6日
テーマ:フルーツの名前について
担当:導入




実習3日目のテーマは「フルーツの名前について」ですが、自分の担当は導入なので前回の色の名前を復習しました。

まずは前回の実習でメインの中で使ったクレヨンや動物が描かれている画用紙を借りて復習しました。
けれどもそのときは使わなかった新しいものも数枚加えました。



一枚ずつ見せて、
「これは何色?」

「ピンクっ」
「じゃあ、これは?」
「・・・」
「パープル」と教える
前回は使わなかった色だ

「なんで新しいの入っているのっ?」とみんな一斉に



画用紙の色の名前はほぼ覚えていたのですぐに次の教材へ
海の絵が描かれたイラスト
今回は磁石のきく持ち運びができるミニ黒板を用意してもらったので、さっと磁石で貼った




自分の手をあげながら、
「夏休みとかは海へ行きましたか?」
「はーいっ!」とすごい反応
手がたくさんあがった

「おぼれたー」と女の子
「え? おぼれた?」
「うん、おぼれた」
「でも、生きてる」と返す
ちょっとアホは返しだったかもしれない


「私もおぼれた」ともう1人の女の子
「・・・」




「じゃあ、海へ行ったときに海の色は何色だった?」
「あおっ」
ん、そう答えるか
「じゃあ、青はなんて言った?」

「ブルーっ」



次に何種類かの動物のアイテムを出す
最初はかもめを出した




かもめに指をさして、
「これは何?」

「とりー」

ちょっと間をおいて、
「かもめっ」
「じゃあ、カモメの色は?」
白い部分をさして言う

「ホワイトっ」とすぐに英語ででてきた
「じゃあ、くちばしは?」と手でくちばしのまねをしながら

「・・・」
「・・・きいろ」

黄色は前回使わなかった色だ
そこで、最初に使った画用紙の中から黄色を探して見せた

「イエローっ」
「そう、イエロー」

数種類の動物を出して、色をどんどん教えていきました。





次は色を探してもらうことにしました。
今までは「これは何色?」のように聞いていきましたが、今度は「レッドは?」と色を園児に探してもらいます。

海のイラストは実は中を開けるようになっています。
そして中を開くとそこは海の中という設定です。



「それじゃ、イエローは?」
「これ?」とオレンジの魚をさす

「ちがうぅ」
「じゃあ、これ?」とその下の魚をさす
「うん」



それから言い当てたものを取っていく
1つ1つは取り外せるようになっています。
そして取った魚などは海のイラストの横においていきます。

ところが、
「とっちゃだめっ」とたくさんの声
これまた予想外のことば
「だめ?」

「だめだよっ」
「とっちゃだめっ」

「・・・」

「じゃあ、戻します」
元のところに戻した




もう1つ、貝も黄色だからそれも選ばせた
そして次の色へいこうとしたとき、

「まだあるよ」
「え?」
一瞬空白になる

そしてわかった
海のイラストをとめていた磁石だ




たしかに黄色
実は実習が始まる前からこれは予想していた
けれどもその場になると忘れていたのだ
「あ、これ?」

「うん」

けれどもこれを取るとイラストが落ちてしまうので、予備でポケットに持っていたもう1個の磁石をイラストの横においた
「じゃあ、これ、イエロー!」




一通り魚などを選ばせた後で、
「最後に、ホワイトは?」
ホワイトはない

「ない」「ない」
「ない」




けれども前もって上から紙を貼って隠していた
それをはがす




魚の白い骨があらわれた
「ホワイト!」と指でさす


「隠しているのはずるいっ!」
「ずるいっ」「ずるいっ」とみんなが言う
予想外に強い反応
反感かもしれんが




時間が来た
無理矢理しめるために、
「ホワイト、ホワイト」と指でさしながらまた言った


それから次の担当へ替わりました。





幼稚園はとにかく様々な反応があります。
それは予測がつきません。
小学校でも実習をしましたが、ちょっとクールな小学生を相手にした実習とは別世界でした。








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