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6.1. 義務(主観性−客観的意味)
 mustの義務は話し手が相手よりも強い権限を持っていることを意味する。
 主語が二人称または三人称のときは、その主語に対する強制を表すことになる。

 (3)
  a. You must come by five o'clock.
  (5時までに来なければならない。)
  b. He must stop smoking.
  (彼はタバコをやめなければならない。)


 また、主語が一人称のときは自己に対する強制を表すが、それは自らの意志によるもので、いわば主観的意味をおびる自己強制である。

 (4)
  a. I must stop eating snacks between meals.
  (間食をやめなければならない。)
  b. I must get my hair cut.
  (髪を切ってもらわなければ。)

 mustの義務を疑問文で用いる場合は、相手の意志を聞くことになるので、強制をする権限は相手にあることになる。

 (5)
  a. Must I come to the office by seven o'clock?
   (7時までにオフィスに来なければなりませんか。)
  b. Must you go so soon?
   (もうお帰りにならなくてはいけませんか。)

 上の疑問文に対して、否定文でmustを用いる場合は「〜をしてはならない」という意味になる。いわば、be not allowed toや be forbiddenで表されるように、「禁止」を表すことになる。

 (6)
  a. Passengers must not lean out of the window.
  (乗客の方々は窓から身を乗り出さないでください。)
  b. You must not behave so.
  (そんなことをしてはいけません。)

 上の例は「それをしてはいけない義務がある」ということを含む。これに対して、canの許可を否定文で用いた場合は、「それをすることは許されていない」ということを含む。そこでmustには、許可からの禁止よりも強い意味を持つことになる。


 ところで、「義務」は「必要性」の意味にも通じることになるが、その必要性の意味が強く現れ、話し手のいらだちを表すこともある。

 (7)
 If you must smoke, use an ash-tray.
 (どうしてもタバコを吸いたいのなら、灰皿を使えばいい。)
 (Leech:1987)

 上は、話し手の皮肉を表した例となっている。








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