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英語の時間的感覚Ⅱ

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過去においての出来事-英語の時間的感覚Ⅱ

 

2.2.2.1. 過去においての出来事

 これは動作などの出来事を、過去のこととして表す用法である。

 (3)
  a. John came to see me yesterday.
   (ジョンは昨日私に会いに来ました。)
  b. She moved to the country a long time ago.
   (彼女はずっと前に田舎に移りました。)
  c. We went to Hokkaido for a vacation last summer.
   (去年の夏、私たちは休暇を過ごしに北海道へ行きました)

 上の3例はいずれも過去の出来事を表しているが、そのためにyesterdayやa long time ago、last summerのような明確な過去を示す副詞が続くことも多い。そしてこれらの副詞は、話し手の焦点となる時点を表している。なぜなら、話し手は発話をする際にこのような副詞に相当する、ある特定の過去を念頭に置いているからである。この焦点となる副詞は、心の位置(M)に相当するのだが、ここでもう一度過去時制の時間表示を示す。

(4)
英語の過去時制の時間表示について 英語の過去時制の時間表示について

 心の位置(M)が過去時に置かれるのは、過去を示す副詞のためである。

 (5)
  a. She left an hour ago.
   (彼女は1時間前に出ました。)
  b. He missed many classes last year.
   (彼は去年多くの授業を欠席しました。)

 上の2例も同様に、an hour agoやlast yearのような明確な過去を示す副詞によって表されている。これらも現在から離れた過去の時点に焦点を置くことを意味する。それは現在との関係を意識しない、いわば、関係の切り離しが生じることになる。


英語の時間的感覚


 ところで、過去を示す副詞が必ずしも文脈上に現れているとは限らないが、過去時制を用いるところから、念頭に置いていることに変わりはない。

(6)
I walked round the front of the hospital.
(私は病院の前を歩いた。) (BNC)

 上の例には過去を示す副詞が続いていないが、次の例が前に続いている。

(7)
I was on the beat round Stanley Hospital and I got to this point at four o'clock on the Saturday morning.
(私はスタンリー病院の周りを巡回中だった。そして、私は土曜日の朝の4時にこの地点に着いた。)

 上の例ではat four o'clock on the Saturday morning が過去を示す副詞として続いているために、これに続く文脈においては再度同じ副詞を続ける必要がなくなる。このとき、話し手の念頭にはat four o'clock on the Saturday morning が置かれていることになる。

 また、たとえ前後の文脈上において過去を示す副詞がなくても、過去時制を話し手が選択する限り、そこにはある過去が念頭に置かれている。


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