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7.2. 時制の一致の例外
7.2.1. 発話されたことがいまだに真であるとき

 直接話法を間接話法にするとき、主節の動詞が過去時制や過去完了形など過去を表す形態の場合は、従属節の動詞の時制を一段古い形態に変えるが、間接話法において時制の一致が生じない場合がある。
 それは従属節の内容が一般的な事実や現在まで継続している習慣など、いまだにその内容が「現在の事実」として捉えられる場合である。

(12)
a. She said that the sun rises in the east and sets in the west.
(彼女は太陽は東から昇って西に沈むと言った。)
b. Tom told me that he gets up at eight every morning.
(トムは毎朝8時に起きると私に言った。)
c. Mary told me that her husband is still sick in bed.
(メアリーは夫がまだ病気で寝ていると私に言いました。)

 上の3例は主節に過去時制を用いている間接話法であるが、従属節では3例とも現在時制を用いている。このことは時制の一致を生じさせていないためであるが、それは(12a)では彼女が話したことが現在でも変わらない事実であることを表しており、(12b)ではトムが現在においても変えることなく続けている習慣を表しているからである。また(12c)についても、メアリーの夫が現在においてもいまだに病気で寝ていることが表されている。ここでこれらの例に相当する時間表示の流れを次に示してみることにする。

(13)
a.


b.


 前の3例の時間表示は、上の(13b)で表される。それに対して(13a)は3例が直接話法として発話された場合の時間表示である。その(13a)では主節に相当する上段の時間表示は過去時制を表しているが、従属節に相当する下段は現在時制の時間表示である。これが間接話法として表される場合は、下段では一段古い時間関係を表すのが普通である。
 しかし、話し手が発話の際に真であると捉えている場合は、そのような変化は生じない。時間表示は(13b)のようになり、点線が上段と下段の発話時(S)を結ぶことになる。




 これは、通常主節の時制に従属節の時制が拘束されて時制の一致が生じるのに対して、拘束されずに話し手が主節ではなく「従属節に焦点をあてている」ということもできる。

(14)
He said she is now only a memory.
(彼は彼女がすでに思い出の中の人にすぎないと言った。)

 上も時制の一致が生じない間接話法の例である。この場合、彼が発話した時点は明らかに過去であるが、その発話した内容は現在でも変わらぬ彼の心境として話し手が捉えていることになる。



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