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2.3. その他の過去時制
2.3.1. used toとwould

 used toは過去の習慣を表すのに用いられる助動詞的な動詞である。その意味では過去時制の主な3つの用法のうち2.2.2.3. の過去においての習慣に相当するが、used toが特徴として持っている意味は現在との対比である。この現在との対比とは、その習慣が現在において全く生じていないことを意味するのだが、このことは過去時制が持っている意味と変わりはないといえる。しかし、used toを用いることで、そのことが強調されるのである。

(18)
a. I used to play soccer.
(私は以前サッカーをしていました。)
b. There used to be a post office.
(昔ここには郵便局があった。)
c. I used to like oranges.
(私は以前オレンジが好きでした。)

 上の3例はused toを用いた過去の習慣であるが、3例とも現在においてその習慣は生じていないことが意味に含まれている。
 (18a)は以前サッカーをしていたということであり、現在においてはそれをしていないことになる。また(18b)は昔郵便局があったという過去においての存在を表しているが、これについても現在においてはもはや存在していないことを表している。
 そして(18c)については、動詞likeは状態動詞である。習慣を表すには動作動詞が用いられることが多いのだが、たとえ状態動詞であってもused toと共に用いることができる。(wouldには状態動詞を用いることができない。)そして現在においてはオレンジが好きではないことを意味として含んでいる。
 このused toの時間表示は、次のように示すことができる。

(19)


 3例とも特定の過去を示す副詞がないのに関わらず、心の位置(M)が過去時に置かれているからである。このことは過去時制の持っている特徴から自然なことではあるのだが、used toは特定の過去を示す副詞とセットになった動詞として、それを強調する。
 そこで特定の過去を示す副詞を続けていないのではなく、続ける必要がないかまたは続けることが普通ではないのである。


 以上のように、used toは過去においての習慣を表すが、他にwouldも用いることができる。
 しかし、wouldはused toとは異なり、現在との対比という意味は薄い。単に回顧的に過去の出来事を表す意味がある。used toとwouldは類似しているためよく比較されるが、用い方は異なる。次に前の3例をもう一度示す。

(20)
a. I used to play soccer.
(私は以前サッカーをしていました。)
b. There used to be a post office.
(昔ここには郵便局があった。)
c. I used to like oranges.
(私は以前オレンジが好きでした。)

 これらをused toの代わりにwouldを用いて書き換えた場合は次のようになる。

(21)
a. I would play soccer when I was a high school student.
(私は高校生のとき、サッカーをしていました。)
b. *There would be a post office.
c. *I would like oranges.

 上の3例について、「*」(アステリスク)の付いている例はそれが文として不自然であることを表している。つまり(21a)だけが文として自然なのだが、それはwouldには状態動詞を続けることができないからである。

 また(21a)については、(20a)とは異なり特定の過去を示す副詞を加えている。これはwouldが、used toのように現在との対比を含んでいないからである。

(22)
a. I used to go skiing every Sunday in winter.
b. I would go skiing every Sunday in winter when I was a child.

 上の例もused toとwouldを比較しているが、wouldを用いた例ではwhen I was a childのような特定の過去を続けることが普通となる。
 
 しかし、used toとwouldの用い方は異なるが、過去の習慣を表すことには変わりはないので、used toの時間表示と変わりがない。一応その時間表示は次に示しておく。

(23)


 以上のようなことがused toとwouldの違いではあるが、この2つにはもう1つ特徴的な意味の相違がある。それはused toが客観的な意味を含みwouldが主観的な意味を含んでいることである。したがって話し手がどちらかを用いることにより、その文脈には異なる感情が含まれる場合がある。次はそれぞれを比較した例である。

(24)
a. He used to spend every penny he earned on books.
(以前、彼は稼いだお金をすべて本に使っていた。)
b. He would spend every penny he earned on books.
(彼は稼いだお金をすべて本に使うのだった。)
(以上2例は柏野:1999)

 (24b)ではwouldが用いられているために、話し手の主観的な感情がその意味に含まれている。この場合、話し手の驚きなどが感情として含まれていることになる。それに対して、(24a)ではused toが用いられているために、客観的な意味が含まれることになる。したがって口語及び文語において、used toは文頭に用いられる傾向にもある。


 ところで、used toとwouldにはこの他にも、used toの表す習慣は長期的な習慣でありまた規則的であるということ、それに対してwouldの表す習慣は短期的でありまた不規則的であるということが意味として存在しているといわれている。しかし、これらについてはused toとwouldの本質的な意味ということはできない。双方の本質的な意味の違いはused toに現在との対比の意味が強くあり、wouldにはそれがないということなのである。



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