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1.1.2.2. 瞬間的な出来事

 この用法は出来事が瞬間的に完結することを表す。
 たとえば、見た瞬間にそのできごとが終わり、次の段階へ進んでしまっているようなときに、過去時制ではなく現在時制で表すのである。次はその例である。

(6)
a. The woman in kimono staggers to her feet. She walks slowly towards the door. Suddenly she begins to cry.
(その着物姿の女性はよろめきながら立ち上がる。ドアのほうへゆっくりと歩く。そして突然、泣き出す。) (荒木:1997)
 
b. Johnson passes to Roberts, Roberts to Watkins, Watkins takes it forward, oh he slips past the centre half beautifully, he shoots.
(ジョンソン、ロバーツにパスしました。ロバーツ、ワトキンズにパスしました。ワトキンズ、ボールを前に進めました。ああ、センター・ハーフをうまくすり抜け、シュートしました。) (柏野:1999)


 (6a)は話し手が舞台の指示をしているところであり、(6b)はスポーツの実況放送をしているところである。どちらも瞬間的に連続する出来事であるが、話し手はそのことを現在時制で表している。この場合、連続する出来事は全て瞬間的なので、たとえその出来事が完結していることであっても、話し手は現在に生じていることとして捉えているのである。


 スポーツの解説ではその解説を終えるよりも早く次の動作が進んでいるようなときに、現在時制を用いることになる。しかし、いつも現在時制が用いられるとは限らない。それは動作にある程度の時間的幅があるときである。
 たとえば野球の試合でボールが高く上がったときは、そのボールが落ちてくるのにある程度の時間的幅がある。そのようなときは現在時制よりも、現在進行形のほうが用いられる。進行形は動作の継続を表し、時間的幅を演出するのに適しているからである。

(7)
a. The ball is hanging in the air. − Now, he makes the catch.
(ボールは高く舞い上がってなかなか落ちてきません。−今、捕りました。) (安井:1982)
b. Oxford are rowing well.
(オックスフォード、力漕しています。) (安藤:2005)

 (7a)は野球の実況である。また、(7b)はボートレースの実況だが、これはゆっくりとした実況のために現在進行形が用いられている。



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