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6.5. この章のまとめ
 この章においては、進行形を用いた用法について述べてきた。進行形は単に動作の継続を表すことだけではなく、未来表現や未完結、そして一時性の意味を持っている形式である。それらの意味については、進行形が限定的な時間の枠を設けているというところから説明がつく。ここで進行形の時間表示を、もう一度示してみることにする。

(46)


 上は現在進行形の時間表示であるが、時間表示上に設定されている時間的枠は出来事時(E)を中心にして設けられている。これは発話の時点において、すでに何らかの出来事が限定的に生じていることを表している。そして限定的とは、一時性の意味を持つことであるが、それはまた完結を意味しない、いわば未完結の意味を持つことでもある。

 また、現在進行形は現在において生じている出来事を表すことから、現在完了進行形と意味上類似しているように思われがちである。しかし、それぞれの形式に含まれている意味は根本的に異なる。次は現在完了進行形の時間表示である。

(47)


 現在進行形の時間表示に設定されていた時間的枠はない。その代わり出来事時(E)から時間軸を示す矢印が伸びている。現在進行形と現在完了進行形の意味上の違いは、話し手が発話の時点において、その心境に過去のことを含めるかどうかである。


時間的感覚


 この話し手の心境については、現在完了形とsinceの共起関係においても類似することがいえる。sinceはある過去を起点とした継続を表すのに用いることができるが、このとき主節には完了形を用いるのが普通である。これはsinceの持っている意味と、完了形の持っている意味とが一致しているからである。

(48)
It has been raining since last night.
(昨夜から雨が降り続いている。)

 したがって、sinceは現在時制と共起することは少ないのだが、当然現在進行形とも共起することが少ないことになる。sinceと現在進行形とでは、話し手の捉える出来事の起点が異なっているからである。


時間的感覚






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