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新ページ基礎からの英語学習




 



助動詞の応用(その2:「may」、「can」、他)


今回で最後になります。今回は「may」、「can」、「have」、「must」の応用です。





   「may have+過去分詞」は「〜をしたかもしれない」というように過去のことに対しての「推測」をあらわします。否定形は「may not have」になります。


 前回のDay41「6」でふれた「should have+過去分詞」も同じ意味で使うことができますが、「推測」の意味では「may have+過去分詞」のほうを使い、「should have+過去分詞」は主に「後悔」や「非難」をあらわす場合に使います。

 She may have forgotten about it.(彼女は忘れたのかもしれない。)
 He may have read my diary already.
 (彼はすでに私の日記を読んでしまっただろう。)
 They may not have left yet.
 (彼らはたぶんまだ出発していないでしょう。)


 「might have」でも過去のことに対しての「推測」をあらわすことができますが、可能性がより少ない意味になります。
 また、見た目は仮定法過去完了になります。
 She might have checked my phone logs.
 (彼女は私の電話の履歴を見たかもしれない。)







   「may(might) as well+動詞の原形」で「〜をしたほうがいい」という意味で使うことができますが、強制の意味がありません。そこで「何かをしないよりは(あれをするよりは)、それをするほうがいい」という意味になります。

 We may as well go by car.
 (車で行ったほうがいいでしょう。)
 You may as well do as far as you can.
 (できるところまでやるといいでしょう。)


 自分以外の人に対して使う場合はアドバイスの意味にもなります。
 また「might」を使うと控え目になります。







   「may well+動詞の原形」で「〜をするのももっともだ」というように「当然」の意味や、他に「たぶん〜だろう」というように「高い可能性」の意味で使うことができます。

 You may well say so.
 (あなたがそう言うのも無理はない。)
 You may well be surprised at the rumor.
 (あなたがそのうわさに驚くのも無理はありません。)
 She may well divorce her husband.
 (彼女は夫と離婚したようだ。)


 「当然」の意味では「have (good) reason to+動詞の原形」で書き換えることができます。
 また「高い可能性」の意味では「may」だけを使う場合よりもずっと可能性が高くなります。







   「can't have+過去分詞」で「〜をしたはずがない」というように過去のことに対しての「推測」をあらわします。

 They can't have seen it.(彼らがそれを見たはずがない。)
 Mary can't have told a lie.
 (メアリーがうそをついたはずがない。)


 肯定にする場合は「can」ではなくて「could」を使います。そうすると「かもしれない」という意味になります。(見た目は仮定法過去完了になります。)
 Mary could have told a lie.
 (メアリーがうそをついたのだろう。)

 「could」は否定形で「はずがない」という意味で使うことができます。







   「can't help+動詞のing形」で「〜をせずにはいられない」や「〜をするしか仕方がない」という意味で使うことができます。

 I can't help laughing.(笑わずにはいられない。)
 I can't help thinking so.(そう思うしかない。)
 When he heard the governmental statement, he couldn't help getting angry.
 (政府の声明を聞いたとき、彼は怒らずにはいられなかった。)


 この「help」の意味は「助ける」や「手伝う」ではなく、「避ける(avoid)」の意味です。
 また、アメリカでは<can't help but+動詞の原形>も使われます。
 I can't help but think no creatures are on Mars.
 (火星には生物が存在しないと考えるしかありません。)







   「cannot+動詞の原形+too+形容詞」で「いくら〜をしてもしすぎることはない」という意味で使うことができます。

 We cannot praise her courage too much.
 (彼女の勇気をほめてもほめきれない。)
 You cannot be too good to your parents.
 (親孝行をしすぎるということはない。)







   「had better+動詞の原形」で「〜をしたほうがいい」という意味で使うことができます。「should」よりもずっと強い強制の意味がありますので、話す相手によって失礼になります。
 否定はhad betterの後に「not」を続けます。(「had」の後ろではありません。)

 You had better leave him alone.
 (彼を1人にしておいたほうがいい。)
 We had better begin at once.(すぐに始めたほうがいい。)
 You had better not depend on him.
 (彼を頼らないほうがいい。)


 「had」は「have」の過去形ですが、あらわすのは上のように現在や未来の時点のことです。
 また、上司など目上に対しては「It would be better for you to+動詞の原形」を使うと丁寧になります。







   「must have+過去分詞」で「〜だったにちがいない」というように過去のことに対しての「推測」をあらわすことができます。
 けれども「ちがいない」というように「断定」をするので、「1」の「may have+過去分詞」よりも強い意味になります。

 She must have dreamed.(彼女は夢を見たに違いない。)
 They must have been pleased.(彼らは喜んだことだろう。)


 否定にする場合は「4」の「can't have+過去分詞」を使います。それは「must」の否定は「禁止」をあらわしてしまうからです。

 「must have+過去分詞」やその他の推測の意味の「may have+過去分詞」、「can't have+過去分詞」を書き換えてみると次のようになります。

 「1」の「may have+過去分詞」は過去のことに対しての「推測」なので、次のように「possible」を使ってあらわすことができます。
 It is possible that she forgot about it.

 同様に「4」の「can't have+過去分詞」は次のようになります。
 It is not possible that they saw it.

 けれども「must have+過去分詞」は「断定」をするので「certain」を使います。
 It is certain that she dreamed.


 これらも過去のことに対しての「推測」ですが、考えているのは現在の時点です。





これで全ての英文法が終了しました。今までお疲れ様でした。






 


主な参考書目

Audrey, J.T(1980)江川泰一郎(訳)(1986) 『実例英文法』Oxford University
Bryan, W.F.(1936)中條和夫(訳)(1959) 『現代英語の過去と完了』英語学ライブラリー(37), 研究社出版
Close, R.A.(1977)齊藤俊雄(訳)(1980) 『クロース現代英語文法』研究社出版
Curme, G.O. (1947)貴志謙二(訳)(1954) 『カーム英文法』篠崎書林
江川泰一郎(1955) 『代名詞』英文法シリーズ4, 研究社
江川泰一郎(1991) 『英文法解説』金子書房
福村虎治郎(1954) 『時制と態』英文法シリーズ11, 研究社出版
Jespersen, O.(1933) Essentials of English Grammar, George Allen & Unwin.
−.(1933)中島文雄(訳)(1962) 『エッセンシャル英文法』千城書房
Leech, G.N.(1971) Meaning and The English Verb, Longman
−.(1971)國廣哲彌(訳)(1976) 『意味と英語動詞』大修館書店
桝井迪夫(1954) 『SHALLとWILL』英文法シリーズ14, 研究社
宮川幸久(1999) 『ロイヤル英文法』旺文社
太田朗(1954) 『完了形・進行形』英文法シリーズ12, 研究社出版
Raymond Murphy(1993) Basic Grammar in Use, Cambridge University
安藤貞雄(1983) 『英語教師の文法研究』大修館書店
安藤貞雄(1985) 『英語教師の文法研究(続)』大修館書店
安井稔(1982) 『英文法総覧』開拓社
安田一郎(1996) 『英語の文型と文法』NHK続基礎英語, NHK出版

荒木一雄(1992) 『現代英文法辞典』三省堂
井上永幸(2003) 『ウイズダム英和辞典』三省堂
小西友七(1989) 『英語基本 形容詞・副詞辞典』研究社
小西友七(2001) 『ジーニアス英和大辞典』大修館
松田徳一郎(2005) 『リーダーズ英和辞典』研究社
大塚高信(1970) 『新英文法辞典』三省堂
竹林滋(2002) 『新英和大辞典』研究社
寺澤芳雄(1997) 『英語語源辞典』研究社
ランダムハウス英和大辞典第二版編集委員会編(1994) 『ランダムハウス英和大辞典』小学館

(共著の場合は最初に記されている方を載せさせていただきました。)






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