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H-1 比較について

b. 最上級につく定冠詞について

 

   最上級には定冠詞がつくことが普通とされるが、その定冠詞がつかない場合がある。ここではその場合の例を説明していく。

 まず、最上級には次のような例がある。

(1)
a. Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
(富士山は日本で一番高い山です。)

b. The smallest unit of matter is the atom.
(物質の一番小さい単位は原子です。)

 上のように、通常定冠詞が最上級につく。それは、「~の中で一番」というように、名詞が特定化されるからである。


 しかし、定冠詞が最上級につかない場合がある。次の(2b)のdeepestには定冠詞がつかない。

(2)
a. The lake is the deepest in Japan.
(その湖は日本で一番深い。)

b. The lake is deepest at this point.
(湖はここが一番深い。)

 ここで一般的な説明としては、(2a)が他の湖と比較しているのに対して、(2b)が同一の湖について比較しているために定冠詞がつかないと言える。

 確かに最上級においては、同一の事物や人に用いられる場合は定冠詞がつかないのだが、もう少し踏み込んで説明した場合、(2a)は「限定形容詞の最上級」であり、(2b)は「叙述形容詞の最上級」だからというように説明することができる。

 (2a)のthe deepestは、the deepest oneが省略されていると考えられる。それとわかる名詞を示しているところから、定冠詞がつくのである。
 これに対して(2b)のdeepestは、名詞を含まず叙述的に用いられているために、定冠詞がつかないのである。


 さらに、これらは形容詞が最上級として用いられている例だが、副詞が最上級として用いられている場合は、定冠詞がつかないことが多い。

(3)
a. I like summer best.
(私は夏が一番好きです。)

b. He runs fastest in his class.
(彼はクラスの中で一番速く走ります。)

 副詞の最上級の場合は、形容詞の最上級と異なり名詞を特に限定するわけではないので、上のように定冠詞がつかないことが多く見られるのである。



参照
定冠詞と不定冠詞の基本(加筆修正回答)
形容詞の限定用法と叙述用法(加筆修正回答)









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